12神櫛王コース(2016年第2号)

大麻神社
大麻神社

 

神話の舞台

 

悪魚退治伝説は、讃岐国の始祖とされる讃留霊王または神櫛王の讃岐平定の英雄伝説です。他の例に漏れず、古事記などに登場する日本武尊の活躍に重ね て語られ、退治された悪魚が果てた福江の浜は神話の風景として伝えられました。海から遠くはなれた善通寺市の大麻神社にもこの伝説の一部が伝わります。英雄、神櫛王が悪魚退治の祈願に訪れたとされ、戦勝後には家臣を本神社の司祭に任じました。また、近隣の櫛梨神社には、神櫛王の廟が造営されたと伝わります。

 それでは、なぜ瀬戸内の海の伝説が大麻山麓に伝わるのでしょうか。その理由として、ふつう大麻神社を氏神とする忌部氏との結びつきなどがあげられます。一方、風景にその理由を求 めると土器川が登場します。この説話が生まれた約千年前には、土器川は現在の流れよりもずっと東に位置し、大麻の扇状地の東側を流れていました。なんと、その河口付近に悪魚退治の舞台になった浜がありました。扇状地の東端を流れる当時の土器川では、河川水は扇状地の堆積 物の下を伏流することなく、豊富で、船の航行も可能だったとすれば、大麻山麓の伝説の地は海と深い関わりがあったのかもしれません。

 

神話の舞台に登場する神社(大麻神社を除く)

大歳神社      櫛梨神社     富隈神社     皇美屋神社

大麻の扇状地で弧を描いて曲がる土器川

大麻神社は、溶岩台地の大麻山中央付近(写真中央)にあり、現在の土器川は手前の山々の向こう側を弧を描いて流れています。しかし、初期の土器川は大麻山にぶつかるように流れていましたが、土器川の運ぶ堆積物によって徐々に大麻山から離れて流れるようになりました。およそ千年ほど前に、土器川は堆積物がつくる扇状地の手前を弧を描くように流れるようになりました。

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